マンション売却する際に必要な査定の知識

マンションの売却を検討した時、不動産業者に査定を依頼して売り出すのが一般的です。マンションの査定方法は主に3種類あり、居住用か投資用かといった目的によって算出方法が異なります。

査定額を決める基準には生活環境の利便性が影響するだけでなく、部屋の回数や方角も影響します。この記事では、マンションの査定額の算出方法や売却までの流れについて解説していきます。

査定から売却までの流れ

マンションを売却する時には、不動産業者に査定を依頼することからスタートします。査定から売却までは、以下のような流れで進めていきます。

1.不動産査定

マンションの売却を検討し、査定を依頼する不動産業者を探します。不動産業者によって査定額が異なるため、複数の業者に査定を依頼して比較することをおすすめします。

2.媒介契約

不動産業者から提示された査定額に納得できたら、業者と媒介契約を結びます。媒介契約とは、マンションの販売活動を代行してもらうもので、契約内容によって3種類に分類されています。

3.販売活動

不動産業者と媒介契約を締結後、マンションを売り出しをスタートします。より多くの人の目に触れるように、新聞折り込み・ポスティング・住宅情報誌などを活用します。

4.購入希望者との交渉及び契約

販売活動によって購入希望者が現れると、実際の物件を見学してもらう「内覧」を受け入れます。その後、購入の意思が固まれば、価格などの条件交渉を経て売買契約に進みます。

5.物件引き渡し

購入者が住宅ローンを借り入れる場合、売買契約後にローン審査が行われます。その後、何も問題がなければ物件を引き渡し、マンションの売却が完了します。

不動産査定から物件引き渡しまで、平均で3~6カ月の期間を要します。具体的には、不動産査定から媒介契約までは約1~4週間程度の期間を要し、その後、購入希望者と売買契約を結ぶまでに平均で1~3カ月の期間を要します。

しかし、購入希望者が長期間現れないケースでは、これ以上の期間を要し、売買契約から物件引き渡しまでは約1~2ヶ月の期間を要します。

手順 注意点やポイント 目安となる期間
不動産査定 できるだけ複数の業者に査定を依頼し、査定額を比較する。 約1~4週間
媒介契約 一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類がある。
販売活動 媒介契約の種類によっては、自分で購入者を見つけることができる。 約1~3カ月
購入希望者との条件交渉及び契約 購入希望者から値引き交渉されるケースがほとんどであるため、予め値引き交渉があることを前提とした価格設定にする。
物件引き渡し 鍵の数や取り扱い説明書などは、購入時と同じ状態に揃えておく。 約1~2カ月

転勤などが理由で早く売却したい場合は、不動産業者に直接買い取ってもらう買取がスピーディーですが、相場の約70%程度と価格が低くなります。

マンションの査定額の算出方法

不動産の査定方法は主に3種類あり、居住用か投資用かといった目的によって算出方法が異なります。以下では、一般的なマンションの売買で用いられる2種類の査定方法について順に解説していきます。

取引事例比較法

取引事例比較法とは、立地や物件情報を考慮しながら、過去に実際に取引された類似物件を参考に算出する方法です。この方法は、類似物件の事例が新しい取引ほど、正確な査定が実現できます。

また、生活環境の利便性といった立地条件が査定に大きく影響し、マンションの査定をするのに最も一般的な方法だと言えます。

収益還元法

収益還元法とは、投資などでマンションを運用した場合の利益を考慮しながら価格を評価する方法です。この方法は、アパート経営などで収益を得るための不動産に頻繁に用いられます。

なお、収益還元法は直接還元法とDCF法の2種類に分かれていますが、将来的な収益に着目しているという点においてはどちらも同じです。

マンション特有の時点修正も考慮しよう

マンションの査定には、頻繁に時点修正が行われ、大規模なマンションは特に多いと言われています。時点修正とは、同じマンションで同間取りの物件が半年前に売却された場合、その価格から半年分をマイナス評価することで現実的な査定額を決めるというものです。

マンションは、新築されてから年数が経つごとに資産価値が下落するのが一般的であるため、このような修正方法を用いて適正な価格が割り出されています。

マンション査定額を評価する主なもの

マンションは、築年数が経つほど資産価値が下落するのが一般的ですが、築年数が古くても査定額の評価が高いケースもあります。ここでは、マンションの査定額に影響する事柄について順に解説していきます。

立地条件と周辺環境

マンションだけでなく、戸建てにも同じことが言えますが、査定額には周辺の環境、近隣店舗への距離、公共施設への利便性などの立地条件と周辺環境が大きく影響します。

例えば、駅からの距離が徒歩で10分がポイントとなり、徒歩10分をを超えると査定額がマイナスされます。このようなことから、駅からの距離が1km以内であることが、査定額を決める一つの目安と考えられています。

マンションの管理と修繕の状態

マンションは戸建てと異なり、毎月管理費が発生します。この管理費には、管理人の人件費や建物内の清掃やメンテナンスに充てられます。

この他には、修繕積立金を入居者から徴収し、一定期間ごとに行われる大規模修繕などに備えられています。このような費用が適切に使われているマンションでは、建物の管理が行き届いていると言えます。

そのため、マンションの査定には常駐の管理人の有無、ゴミステーションの状況、外壁塗装のメンテナンスなどが適切に行われているかが重要視されます。

階数と方角

首都圏を中心にタワーマンションが数多く建てられており、高層階特有の眺望の良さなどから、高層階への人気が高い傾向にあります。マンションの査定は、3階以上の評価が高いと言われており、高層階になるほど評価が高くなります。

また、日当たりの良い南の方角や角部屋、バルコニーの有無などはニーズが高いことから、査定への評価も高くなります。

施工会社と販売会社

マンションの査定には、立地条件や階数だけでなく、信頼性のある施行会社や販売会社が関わっていることが影響しやすいと言われています。

例えば、大手建設業者の施行であったり、実績のある企業が関わっている物件は、信頼性が高いことから評価も高くなる可能性があります。

マンションの査定は一括査定サイトが便利

マンションの査定は主に取引事例比較法が用いられ、多くの不動産業者で価格査定マニュアルに基づいて査定されています。しかし、不動産業者によって査定額が異なるため、より高値で売却するためには複数の業者に査定を依頼することをおすすめします。

インターネットで簡単に複数社から査定して貰える

複数の不動産業者に査定を依頼する場合、1件ずつ問い合わせるのは面倒です。しかし、一括査定サイトを利用すれば、少ない情報の入力で一度に複数の業者に査定を依頼できるので便利です。

一括査定サイトは数多くあり、無料で査定を依頼できるケースがほとんどです。以下の表では、代表的な一括査定サイトの特徴や提携業者数などを示しています。

サイト名 特徴 提携業者数 最大依頼件数 運営会社
イエウール 厳選された業者のみと提携。 全国1,700社以上 最大6社 株式会社Speee
HOME4U 国内初・日本最大級の一括査定サイト。 全国1,300社 最大6社 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
すまいvalue 実績豊富な大手6社の直営。 大手6社 最大6社 住友不動産販売など大手6社
LIFULL HOME’S 独自に設定した厳しい基準をクリアした業者のみと提携。 全国1,719社 最大10社 株式会社LIFULL

このようにサイトによって特徴はさまざまで、多くのサイトが最大6社以上で一括査定を依頼できます。すまいvalueは、住友不動産販売や三菱地所ハウスネットなどの国内でも大手だけの運営ですが、その他のサイトでは、大手から地域密着型まで幅広い業者と提携しています。

最大のメリットは相場を知ることができること

複数の不動産業者に査定を依頼する最大のメリットは、売却したいマンションの相場を知ることができる点にあります。複数の業者から提示された見積りを比較することが重要で、最高額を把握することもできます。

ただし、相場からかけ離れた高額な査定額を提示する業者は、媒介契約後の仲介手数料目的である可能性があるため、優良な業者の見極めが大切です。

実際に引渡し完了までの時間を考慮して早目の行動を

マンションの査定から物件の引き渡しまでは、平均で3~6カ月の期間を要します。そのため、実際に引き渡しが完了するまでの期間を考慮し、早めに査定を依頼することをおすすめします。

早く売却したくても、最初に不動産業者に連絡を取ってから早くても1カ月の期間を要することから、半年程度は一般的な範囲と考えておくと良いでしょう。

マンション査定は大手と地域密着型の両方に

多くの業種と同様に、不動産業者にも大手から地域密着型までさまざまで、それぞれに以下のようなメリットとデメリットがあります。

大手

不動産業界での歴史が長い業者が多く、情報量やネットワークの広さはありますが、担当者によって差が生じる場合があります。また、首都圏を中心に全国対応していますが、仲介手数料の値引に応じないなど融通が利かない可能性があります。

地域密着型

インターネットでは見つからない独自のネットワークを持っている場合がありますが、大手と比べると広告力が弱く売却に結びつきにくい可能性があります。また、限定した地域に強い一方で、仲介手数料の値引に応じてくれるなど融通が効きやすいと言えます。

このように大手と地域密着型のメリット・デメリットは異なるため、一括査定サイトを利用する際には、大手と地域密着型の両方に依頼すると良いでしょう。

マンション売却時に発生する仲介手数料

マンションを売却する時に不動産業者に仲介を依頼する場合、媒介契約を結びます。この契約後に広告などを活用して販売活動を進めていくのですが、販売活動の代行に対する費用として仲介手数料が発生します。

仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限額が定められており、以下の表で示すように売却価格に応じて異なります。また、不動産業者によっても料金が異なるため、予め調べておくと良いでしょう。

売却価格 仲介手数料
200万円以下 売却価格の5%以内
200万円超400万円以下 売却価格の4%以内
400万円超 売却価格の3%以内

なお、売却価格が400万円超の場合、以下のような方法で仲介手数料が算出できます。

仲介手数料=(売却価格×3%+6万円)+消費税

査定前のリフォームには注意が必要

 

不動産業者の査定を受ける場合、リフォームやハウスクリーニングなどをしてできるだけ綺麗な状態の方が高く評価してもらえるのでしょうか。

修繕やリフォームの必要性は業者に確認する

マンションの築年数が古い場合、リフォームした方が査定額が高くなるとイメージしがちですが、リフォームしたからと言って売却価格にリフォーム代を加算できる訳ではありません。

例えば、300万円かけてリフォームしたとしても、300万円高く売却されることは無いに等しいため、リフォームに関しては仲介を依頼する不動産業者と相談した上で進めていくことをおすすめします。

リフォームしても査定額にほぼ影響がない背景には、セルフリノベーション希望者の需ニーズが増加傾向にあることが挙げられます。購入希望者の心理としては、できるだけ安い価格で中古マンションを購入し、セルフリノベーションを考えている事例も多いのが現状です。

そのため、リフォームして売り出すことで、売れにくくなる心配が生じると言えます。ただし、水回りや設備の不具合が生じている場合は、生活に支障が出る可能性があるため、訪問査定で不動産業者に指摘してもらい、必要に応じて修繕しておくようにしましょう。

ハウスクリーニングの必要性

マンションの査定は、建物の築年数や状態、立地条件などの影響が大きく、室内の清掃が影響を及ぼす可能性はないため、ハウスクリーニングに依頼する必要性はないと言えます。

ただし、購入希望者の内覧を受け入れる際には、目立つ汚れを落としておくなど、印象アップを狙って売買契約に繋げる工夫が必要です。

マンション査定の算出方法を理解して一括査定を利用してみよう

マンションの査定方法は主に2種類あり、一般的な売買では取引事例比較法が用いられるケースがほとんどです。不動産流通機構が提供している価格査定マニュアルは、取引事例比較法がベースとなっているため、多くの不動産業者で同様の方法が用いられています。

しかし、地域特有の立地条件や物件の人気度などが影響し、不動産業者によって査定額が異なるため、大手から地域密着型まで幅広い業者と提携している一括査定サイトを利用して、複数の業者に査定を依頼することをおすすめします。