不動産を売却したら控除を活用しよう

不動産を売却したら、できるだけ支払う税金を少なくして売却益を手元に残したいですよね。不動産売却した際には、さまざまな控除が受けられます。控除を活用することで、支払う税金を最大ゼロにすることも可能です。ここでは、不動産売却に適用される控除の種類やできるだけ売却益を上げるためのポイントを紹介します。

控除額の上限が決まっている6つの特例

不動産を売却した時に受けられる特例は条件によってさまざまです。ここでは、それぞれの特例の上限金額、特例を受けるための適用要件、確定申告に必要となる書類について紹介します。

公共事業のための不動産売却で5000万円控除

公共事業のために土地を譲渡した場合は、5000万円の控除を受けることができます。特例の受けるためには一定の要件を満たす必要がありますので、事前に確認しましょう。

特例を受けるための適用要件
(1)売った土地建物は固定資産であること。
(2)その年に公共事業のために売った資産の全部について収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていないこと。
(3)買取り等の申出があった日から6か月を経過した日までに土地建物を売っていること。
(4)公共事業の施行者から最初に買取り等の申し出を受けた者(その者の死亡に伴い相続又は遺贈により当該資産を取得した者を含みます。)が譲渡していること。


引用元:
国税庁 収用等により土地建物を売ったときの特例また、確定申告書をする際には、公共事業の施行者から受けた公共事業用資産の買取り等の申出証明書買取り等の証明書など、一定の書類を提出する書類に添付する必要があります。

マイホームの売却で3000万円控除

マイホーム(居住用財産)を売却した場合には、所有期間関係なく譲渡所得から3,000万円までの控除が受けられます。

控除を受けるための適用要件

(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件全てに当てはまることが必要です。
イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2)売った年の前年及び前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)又はマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
(3)売った年、その前年及び前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
(4)売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(5)災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(注)に売ること。
(注)東日本大震災により滅失した家屋の敷地の場合は、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなります。
(6)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。


引用元:
国税庁 マイホームを売ったときの特例

「マイホームの売却で3000万円控除」には、確定申告に譲渡所得の内訳書が必要です。

再開発による土地売却で2000万円控除

国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構などが土地区画整理事業(街づくりの活性化を目的とした事業)をするために不動産を譲渡した場合には、譲渡所得から2,000万円の控除が受けられます。
確定申告には、譲渡所得の内訳書特定土地区画整理事業等のために土地等の買取りがあったことを証する書類が必要です。

特定住宅地造成事業での土地売却で1500万円控除

個人が所有する土地を「特定住宅造成事業」などのために譲渡した場合、その売却した金額から1,500万円まで控除をすることができます。確定申告に必要な書類は下記のとおりです。確定申告には、譲渡所得の内訳書特定住宅地造成事業等のために土地等の買取りがあったことを証する書類等が必要です。

特定期間に購入した土地売却で1000万円控除

平成21年又は平成22年に取得した土地等の所有期間が5年を超えて譲渡した場合には、譲渡所得の金額から1,000万円まで控除を受けることができます。

控除を受けるための適用要件

(1)平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得していること。
(2)平成21年に取得した土地等は平成27年以降に譲渡すること、また、平成22年に取得した土地等は平成28年以降に譲渡すること。
(3)親子や夫婦など特別な間柄にある者から取得した土地等ではないこと。
特別な間柄には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。(4)相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済及び所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと。
(5)譲渡した土地等について、収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど他の譲渡所得の特例を受けないこと。


引用元:
国税庁 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除「特定期間に購入した土地売却で1000万円控除」には、確定申告に譲渡所得の内訳書土地等の登記事項証明書や土地等を取得したときの売買契約書の写しが必要です。

農業委員会の斡旋などによる農地売却なら800万円の控除

農業委員会の斡旋などにより農用地区域内の農地を地域の担い手に売却した場合には、その譲渡益から800万円までの控除が受けられます。確定申告には、譲渡所得の内訳書農地保有の合理化等のために譲渡した場合に該当する旨を証する書類が必要です。

赤字や相続で使える2つの不動産売却の控除

控除が受けられるのは、不動産売却益が出た場合だけではありません。ここでは、不動産売却で赤字になった場合と相続した不動産を売却した場合に受けられる控除について説明します。

不動産売却の赤字は所得税が戻ってくる可能性が

不動産売却で赤字になった場合は、譲渡をした年に事業所得や給与所得など他の所得との損益通算することができ、税金の還付を受けることができます。また、損益通算をしても控除しきれない損失の金額については、その譲渡の年の翌年以後3年間にわたり繰り越して控除することが可能です。ただし、下記の損失の金額は、損益通算の対象となりません。

損益通算の対象となならないケース

(1)別荘等のように主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産の貸付けに係るもの
(2)不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額


損益通算には、
「損益の通算の計算書」の作成と確定申告が必要となり、確定申告に必要な書類は下記のとおりです。引用元:国税庁 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算

確定申告に必要な書類
・確定申告書
・年間の所得が証明できるもの
・不動産を購入した時の売買契約書
・不動産を売却した時の売買契約書
・経費の分かる領収書
・部事項証明書(土地、建物)

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例があり、相続により取得した不動産を一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。 相続した土地の売却で相続税が軽減される場合も

控除を受けるための適用要件

(1)相続や遺贈により財産を取得した者であること。
(2)その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
(3)その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。


この特例を受けるためには確定申告と下記の添付資料が必要です。

引用元:国税庁 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

・相続税の申告書の写し(第1表、第11表、第11の2表、第14表、第15表)
・相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書など

控除以外でも不動産売却の利益を確保

5年を超える長期保有で税率下げる

譲渡所得税の税率は一律ではなく、保有期間5年を境に税率は約半分に下がります。不動産価格が値上がりしたからといって売却しても、支払う税金が多ければ思ったほど利益を上げることができません。たった数日違うだけで2倍近い税金を払わなくていけないような事態を避けるために、不動産を売却する時は保有期間を必ず確認しましょう。

短期譲渡所得:売却した年の1月1日現在で「所有期間5年以下」の場合
所得税 住民税
30.63%  9% 39.63%
長期譲渡所得:売却した年の1月1日現在で「所有期間5年超」の場合
所得税 住民税
15.315% 5% 20.315%

※2013年から2037年までは、所得税に復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)上乗せされています。

不動産売却までの費用を節約する

不動産を売却するまでは、さまざまな費用が必要です。「必要な費用だから」と何も考えずに出費すれば、費用はどんどん膨らみます。しかし、節約を意識すれば費用は安く済み、その分売却益として手元に残すことができます。

○不動産仲介手数料
不動産仲介手数料は安ければいいというわけではないが、買い替えの場合は仲介手数料の値引き交渉がしやすい。知り合いを紹介することで割引が受けられることもある。買い取りで売却にすれば市場価格より安くなるが、仲介手数料は支払わなくて済む。
○インスペクション費用
一社では相場がわからないので、相見積もりを取り金額を比較する。
○ハウスクリーニング
すべて業者に任せず、依頼する場所を指定して見積もりを取る。
○引越し費用
ほかの人の荷物と一緒に運んでもらう「混載便」や引越しを終えて帰るトラックを利用して、荷物を運んでもらう「帰り便」などのサービスを利用する。

売却益をなるべく確保するために

売却益をなるべく確保するには、節税対策や売却費用削減が重要であることを説明しましたが、いちばん大切なのは、やはり好条件で不動産を売却することです。そのためには、最良かつ信頼できる不動産会社選びがとても重要になります。不動産業者選びには、一度の情報入力で複数社への依頼が完了する無料査定サイトがおすすめです。また、不動産の査定金額がわかれば、事前にどのくらいの税金が課税されるか概算することもできるので、節税対策にも役立ちます。