マンション売却の基礎知識を知ろう

転勤や家族が増えたり生活状況の変化により今住んでいるマンションを売却しようと考えている方は、中古マンションを売る時にいかに高く売るか、売るタイミングなどが鍵となります。

そのためには中古マンションを売却する時の手順を知っておくことや、依頼する不動産会社選びも大切なポイントとなります。損をしないための売却にはどのような手順を踏むのが良いのでしょうか。

中古マンションを売却する流れとは

中古マンションを売却をしようと考えた時、何から手をつければいいのか悩んでしまいますよね。売却前に必要な準備や不動産業者への依頼の仕方をご紹介します。

売却をするための準備をする

まず、中古マンションを売却するにあたり希望の売却価格を決めます。不動産会社に売却を依頼すればおのずと売却価格を導き出してもらえますが、自分の希望価格を明確にするために自分で相場を調べることも大切です。

相場の調べ方

相場の調べ方として手軽なのが不動産ポータルサイトを利用することです。現時点での売りに出されている物件の情報を知ることが出来ます。ただし、希望売出価格であり、値引きなどを考慮して高めに設定されていることが多いといえます。実際の取引価格を知りたい場合は国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するレインズで情報を得ましょう。

大まかなスケジュールを決める

中古のマンションを売却する場合はいつまでに売るのか、もし現時点で住んでいるのであればいつまでに引っ越すのか、内見の際は住んだ状態で見せるのかなど大まかなスケジュールを立てましょう。また、住み替えであれば、次の新居の購入のタイミングも大切なスケジュールの一つになります。

自分に合った売却方法を決める

中古マンションの売却をする際に不動産会社に売却を依頼する方が多いと思いますが、不動産会社への依頼方法も2通りあります。デメリット・メリットを理解して自分に合った方法を選びましょう。

  • 不動産業者の直接買取

不動産会社に直接買い取ってもらい売却してもらう方法です。現金がすぐ手元に入り、仲介では不確定となる売却時期を明確にできるというメリットがありますが、基本的にはリフォームを施すことを前提としている業者が多く、市場の6~7割程度の売却価格となります。

  • 不動産業者の仲介による売却

仲介は不動産会社が売主と買主をマッチングする形となります。売却価格を自分の希望に近づけられるといったメリットがありますが、買主が現れなければ売却することが出来ず、現金が手元に入る時期が未確定です。また、仲介手数料が発生します。

中古マンションを売却するときには可能な限り損をしないためにもしっかりと事前準備をしましょう。

信頼できる不動産業者を選ぶ

不動産会社に査定を依頼する際、出来るだけ高い金額で売却を依頼するために、一社だけでなく複数社に依頼しましょう。複数社に依頼することで、価格の比較だけでなく、対応のスピードや自分の意思を尊重してくれる業者かを比較することが出来ます。

査定価格が高くても、依頼したら値引きを迫られて実際の取引価格は相場よりも低くなってしまったということがないように、査定価格だけでなく信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

不動産業者を選ぶポイント

免許番号や行政処分歴を確認する

不動産会社が売買を行う際は、宅地建物取引業の免許が必要となります。規制が厳しくなり、悪徳な業者はほとんど見かけませんが、中には無免許で不動産取引をしている業者もあります。免許を交付した行政庁で名簿を無料で確認できます。名簿では、実績や過去の行政処分歴も確認することが出来るのでどうしても不安な方は確認しておきましょう。また、事務所に必ず掲げなければならない「宅地建物取引業者票」でも免許番号を確認することが出来ます。

マンションの売買の媒介業務が得意な業者を選ぶ

不動産会社は業務内容が業者によって大きく異なります。土地の開発が得意な業者があれば、賃貸の媒介が得意な業者もあります。中古マンションの売却はマンションの売買の媒介業務を得意としている業者を選びましょう。売買でも一戸建て、マンションで得意としている業者が異なるので注意しましょう。

業者も大切だが、担当者選びも大切

信頼できる不動産会社を見つけるのも大切ですが、その中で担当者を選ぶことも大切なポイントとなります。質問にしっかりと答えられるか、利益優先ではなく売主・買主の立場になって親身に考えてくれるかなどをみましょう。また、どんなにいい人でも自分と波長が合わないとうまくいかない場合があります。しっかりとその人の人柄を見極めましょう。

売買契約と引き渡しの流れ

不動産会社が買主を探し出してくれたらいよいよ契約になります。買主が購入の申込をした後に売主・買主の合意のもと売買契約を締結します。その後買主が住宅ローンを組む場合、金融機関の審査を受け、無事通過したら残金の決裁と引き渡しの期日を決めます。残金決済時に所有権移転登記や融資実行などの手続きを進めていきます。

ここで、売主側にローンの残債が残っている場合、不動産に抵当権が設定されているため、抵当権抹消登記の手続きを行います。また、マンションの場合管理組合が存在するので、必要な届け出を提出します。これで引渡業務が完了します。

中古マンション売却に必要な主な費用とは

中古マンションの売却には費用がかかります。売却価格はこの費用も考慮しましょう。ではどのような費用がかかるのかみていきましょう。

売却を行う際に支払う税金とは

売却を行う際に必ず必要となる税金は、印紙税と登録免許税です。印紙税は契約書や領収証に貼る収入印紙のことです。売却価格により金額は異なり、2020年3月31日まで軽減税率が適用されます。登録免許税は抵当権抹消登記など登記を行うと課せられる税金です。また、購入した時よりも高く売れて利益が出た場合住民税と譲渡所得税が課せられます。譲渡所得税は短期と長期に分かれ、所有した年数で異なります。

項目 所有した期間 所得税 住民税
短期譲渡所得税 5年以下 30.63% 9%
長期譲渡所得税 5年を超える 15.315% 5%

不動産業者に払う仲介手数料

マンションの売却を不動産会社に依頼する時は成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介手数料は売却価格により異なり、売主・買主が不当な利益をうけないように法律によって上限が定められています。

売却価格 上限(+消費税)
200万円以下 5%
201万円~400万円以下 4%+2万円
401万円を超える 3%+6万円

ローンが残っている場合は残債を一括返済

中古マンションを売却する時点でローンが残っていたとしても売ることは可能です。ただし、マンションの売却時に残債を一括で支払わなければなりません。というのも、金融機関とローンを組む際に担保として不動産に抵当権が設定されます。この抵当権は一つの不動産に一つのみ設定することが出来るので、買主がローンを組む場合抵当権が二重にならないよう売主のローン残債をなくし抵当権を抹消する必要があるためです。

ローンの残債を売却価格で支払うと考える方も多いと思います。仮に売却価格がローン残債を下回ってしまった場合は不足分を支払わなければなりません。

中古マンション売却時の必要書類について

マンション売却の際に必要な書類はどんなものがあるのでしょうか。しっかり確認して、事前に準備できるものは用意しておきましょう。

本人確認の身分証明書と住民票

住所、氏名、生年月日が確認できる運転免許証やパスポートなどの身分証明書が必要になります。また、発効から3カ月以内の住民票が必要になります。なかなか役場に行く時間が取れない場合でも郵送やマイナンバーを使ってコンビニで発行する方法もあります。詳しくは住民票の登録がある市町村役場に問い合わせてみてください。

実印と印鑑登録証明書

売買契約の締結の際に実印が必要になります。実印でなくても契約自体に支障はでませんが、実印を使うことで買主に安心感を与えることができ、所有権移転登記の際に法務局が照合しやすいことから実印が望ましいと言えます。

印鑑証明書は必ず必要なものではなく、依頼する不動産会社により異なります。印鑑登録証明書の発行にはまず印鑑登録が必要となります。また印鑑証明書は発効から3カ月で有効期限が切れてしまうので注意が必要です。

土地建物登記済証 権利証または登記識別情報

平成17年3月7日以降の不動産登記を行った場合は登記識別情報を受け取ります。その前までは権利証を受け取っています。この登記識別情報とは、権利の登記を終えその登記名義人が権利者であることを公的に証明するための12ケタの番号です。

もし権利証や土地建物登記済証をなくしてしまった場合は司法書士に不動産の所有者であることを提示し、司法書士が作成する、もしくは権利証がない状態で提出できない理由を明らかにした上で登記申請を行う方法をとります。

納税義務者に送られる固定資産税・都市計画税納税通知書

固定資産税や都市計画税は毎年1月1日時点で不動産を所有している者に課せられます。移転登記の際の登録免許税の算出などに必要となり、納税者に4月頃納税通知書が届きます。仮に紛失してしまった場合、再発行することはできないので各役場にて固定資産税評価証明書を取得し、代わりとしましょう。

建物土地の状況を記した物件状況等報告書

マンションに限らず不動産の売買契約時の物件の状況を記し、物件の引き渡し後に内覧では確認できなかった問題点がトラブルに発展するのを防ぐ役割があるものを「物件状況報告書」と言います。「物件状況報告書」を買主に提出することで、引き渡し後に不具合が確認されても売主は責任を問われません。

売却する予定のマンションに関する資料

マンションにはそれぞれマンション内での管理規約や使用に際する規則が定められています。管理規約や規則を記した書類や維持費関連の書類はマンションを売却するときに必要となるので、売買契約前に準備をしておき、依頼する不動産会社に提示しておきましょう。

中古マンションをできるだけ高く売却するポイント

マンションを売るときにできるだけ高く売りたいと思う方が多いのではないでしょうか。ここでは、高く売るポイントを解説していきます。

リフォームはしない方が良い

中古マンションを購入する方は、リフォームをすること前提で購入する方もいます。売主が良かれと思いリフォームしてしまうと、買主の希望の間取に沿えなかったり、住宅設備が趣味に合わないことがあり、リフォームが無駄になってしまう可能性があります。また、リフォーム費用は査定に反映されない可能性もあります。

売却するタイミングを見極める

マンションを売却するときにはタイミングも大切です。例えば近隣の生活環境が変化し、他の売り物件の価格が上がっている場合、購入価格より高く売れる可能性があります。また、不動産は築年数が15年を過ぎると価格が急激に下がる傾向にあります。中古マンションの売却を考えるのであれば築10年から15年の間に売ると税金も抑えることが出来ます。

また、1月から3月は買主が増える時期でもあり、不動産業界の決算時期でもあるので業界全体が活性化するタイミングです。そのタイミングで売りに出すことで、買主が見つかりやすくなります。

中古マンション売却の下準備は余裕を持って行おう

中古マンションを売却する際は相場を調べたり、どんな書類が必要なのか把握するなど下準備を行うことで、余裕をもって売却に望めます。余裕をもつことで冷静に判断することができ、不動産会社選びや、価格交渉にも損をしないか見極めることができるのではないでしょうか。大切な自分のマンションですから損がないように売却を成功させましょう。